JBCF全日本実業団トラック2021

今年の実業団トラック最終戦に出場した。

例年、JPTの選手も多くエントリーしてくるハイレベルなレースである。

去年はスクラッチケイリンに出場したがそれぞれDNF,2回戦敗退と惨敗している。

今年度はオープン参加の日本大学も参加しておりかなり難易度の高い大会になることが予想された。

去年大会の反省も交え遠征の際の陣地用品もチームのショップZUNOW EAST(https://www.zunoweast.jp/)から用意していただき、参加することができた。



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【結果】

クラッチ 23位

ケイリン 1回戦 3着

     敗者復活戦 1着

     1/2決勝 5着

     順位決定戦 2着 

     最終順位 8位

チームスプリント DNS

ケイリンにて実業団登録選手最高位のため全日本選手権の参加資格を獲得

【機材】

フレーム FUJI TRACK ELITE

前ホイール フルクラム レーシングスピード

後ホイール カンパニョーロ ギブリ(白)


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【天気】

1日目 晴れ

2日目 晴れ

【内容】

直前になるまでかなりコンディションが整えられず、かなり悪い状態だった。原因は恐らく2週間前にあった競輪選手養成所入所試験のために軽ギアでずっとクロモリフレームに乗っていたため、重いギアでカーボンフレームに乗る感触を忘れてしまっていたのと長く続いた遠征&トレーニングの疲れの為だと思われる。あと船酔い

 

そのため、大会直前の1週間はまず疲れを抜くこととロード練習にて重いギアでじわじわ踏む練習を意識して行い、カーボンフレーム&重ギアの感覚に身体を慣らすようなトレーニングを行った。

もう時間がなかったため、失敗すれば挽回する余裕はなかったが、成功した。大会前日にはハロンも2回連続でほぼ自己ベストに近いタイムが出せた。

やはり、自分の身体の状態をしっかり考察してそれに合わせたトレーニングをするというのは結果を出すために必要である。

 

大会前日から境川に入り、ポジションの最終確認と何度か本番仕様でもがきを行いコンディションを確認。その日は早めに宿に向かい、後から合流してくるタモンと大盛りの合流を待つことにした。

ここで、井狩と「あいつらは夜遅くに宿に来るだろうから部屋に入ってきたところでガチギレどっきりを行おう」との合意がなされた。

作戦概要は2人共にこっちが寝ていれば静かにそーっと入ってくるだろうが、物音を立てた瞬間にガチギレすると言うもの。

しかし、奴らは予想の斜め上を行く

寝たふりをして待っていたら元気に部屋に入ってきたあげく、自分の枕近くに持っていたレッドブルをぶちまけた。

あまりの出来事に寝たふりをしていたが笑ってしまい、失敗してしまった。

こいつら本当になんなんだ…

 

大会1日目

一応ぐっすり眠れた。

今日の自分のレースはスクラッチ決勝の10kmのみ。

チャレンジ感覚で出るためにかなり気楽に構えていた。

 

朝はかなり寒かったこともあり、周回練習は行わずローラーでのアップをするのみに留めた。

細菌の実業団スクラッチは途中で集団がバラバラになり、先頭がそのまま少人数でゴールまで到達するパターンが多かったため、なるべく最初から先頭付近にいることを作戦とした。


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スタートも集団の前よりから。

リアルスタート直後も一気にスピードが上がるような感じではなかったが、ジワジワとスピードが上がり続け、かなりハイペースなレース展開となった。

とりあえず愛三とキナンの選手を見かけたら後ろに飛び付くようにしていた。

途中何度か後ろに下がってしまったが、集団が縮んだタイミングで前に戻るなどして余裕のある状態で終盤まで走ることができた。

残り周回が少なくなってきたタイミングで愛三の岡本選手が逃げて行った。飛び付きたかったが前が塞がれており、集団に取り残されてしまった。

この後は集団のなかで一番スプリントのありそうなキナンの荒井選手の番手に位置取りをした。
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残り2周回のホームストレートを愛三の大前選手、荒井選手、自分の順で通過し、このまま行ければいいなと思ったが残り1.5周(ゴール前600m)で先頭に出されてしまう。

速度がかなり上がっていたため、ここで自分は上に上がったが、集団は1列棒状になっており、自分の入るスペースはなくここで戦線からは離脱することとなってしまった。

後から考えれば残り1.5周で前に出た時点で流し先行をし、ラスト1周くらいからスパートすればもがき切れただろうが、走ってる瞬間にその判断ができなかった。

中距離種目の経験の浅さが敗因に繋がってしまったと思う。

しかし、前回は中盤で早々に千切れリタイアとなってしまったことを考えればかなり力が付いてきたのは明白。

今回のレースはAvが約50km/hとかなりハイペースのレースだったが先頭付近でしっかりと展開できたのは自分の脚質を考慮してもかなり良いと言えるだろう。

これからはケイリン、スプリントだけではなくスクラッチにも積極的に出てみたい。

 

2日目

本日は大本命のケイリンが行われる。

チームからバトンホイールを借りて、しっかり周回練習で感覚も確かめたが、ここで大事件を起こしてしまう。

周回練習を終え、誘導路に入って曲がろうとしたところで前輪が滑り、単独落車してしまう。

この落車でペダルが壊れ、借り物のクリートとペダルに変えたり、ロードで使っていた物に変えたりとかなり混乱した状態になってしまった。

また、左半身の数ヶ所に打撲と右足を変に捻ったため、痛めてしまった。

 

遠征から帰ってきた今も痛い。痛みが長引くようなら病院に行こうと思う。

 

そんな感じで迎えてしまったケイリン

今回、オープン参加の日本大学自転車部のメンバーが7人エントリーしている。国内最強の学連チームと走れるのは貴重な機会なので自分の実力を知るためにも全力を出しきりたい。

1回戦は同じ組に日大の川上選手、ロジスティージャックの大村選手がいる。

大村選手は実業団でも最強クラスの選手であり、川上選手は高3のときのインターハイで準優勝しているトップ選手。予選は1着上がりなので厳しいレースになるが勝ちきらないと上には上がれない。

残り1周手前から仕掛けた川上選手-大村選手-自分の並びでバックストレートに入り、捲りにかかったが

クリート位置がしっくり来ずに上手く速度を伸ばせず、3着となった。

レース後に借り物のクリートとシューズの感触が悪かったので自分のロードで使っているものに変えた。


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続いて敗者復活戦。ここでも1着しか次に進めない。

4人でのレースとなり

Tonyレーシングの宮本-ロジスティージャック羽田野選手-ラバネロ佐柄選手-自分の並びとなった。知り合いの多いレースだった。

今回の試合ではケイリンは1日で予選から決勝まで行うため、あまり消耗せずに次に進みたかった。

ギリギリまで後ろに控え、一気に捲り前に出てしまおうと思う。

作戦通り、バックストレートで一気に捲り

余裕を持ってゴールできた。2回線に進出。


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2回戦では日大の伊藤選手、三神選手、角選手、高木選手、キナンの荒井選手との対戦となった。

どの選手もヤバい。

一番外からの発走となり、ペーサー離脱後早い段階から速度が上がったこともあり、最後尾でラスト一周に入る。

2コーナーから捲りを放ち、中団に並びかけるが3コーナーまでに捲りきれず、前で日大4人が横並びになっているところに加われずに敗退となってしまった。

これで順位決定戦に回ることになった。

 

本日最後のレース、順位決定戦

メンバーは日大の高木選手、キナンの荒井選手、ロジスティージャックの大村選手、ルクトスキップの市川選手、ラバネロの渋谷選手、自分である。


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勝戦は全員日大となったため、ここではしっかり勝ちきり、オープン参加を除いた選手の中では最高位を取りたい。

発走順は自分-大村選手-渋谷選手-市川選手-荒井選手-高木選手の並び順。

ペーサー離脱まで大きな動きはなく、離脱後もしっかり後ろを見ながら最終周回に入っていく。

残り1周のホームストレートで大村選手が番手から仕掛け、前に出てくる。

しっかり後ろに付き、バックストレートで捲りに出る。


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3コーナーから並走が続き、ストレートの加速で競り勝ち、勝てる!と思った瞬間、左から物凄い勢いで日大の高木選手が中を割って来て抜かれた。


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横並びで競ってる間を割ってくるのは全く想像しておらず、完全に油断していた。

今まで走ってきたレベルのレースではあんな上手い走り方をする選手は居なかったのでレベルの差を痛感すると同時に、まだまだ自分のテクニックを磨く余地があると学べた。

結果は2着でリザルトは8位となった。1~7位までが全員オープン参加の日大なので実業団ではトップの成績を取れた。

また、これにより12月に伊豆ベロドロームで行われる全日本選手権大会の資格を獲得できたようなのでそちらへの参加も検討する。

 

【総括】

クラッチではしっかり中距離レースも走れそうだと言うことが分かってよかった。

ケイリンは今シーズン3大会走った感じ、実業団内ではかなり安定してトップレベルで戦えるようになったと思う。

1年間でJBCFのトラックレースが3回しかなく、チャンスは少ないが来シーズンこそは優勝を勝ち取りたい。

また、今回のケイリンでは学連トップレベルの選手と一緒に走る機会に恵まれ、そのレベル差を痛感する事となった。脚力はもちろん、その他の立ち回りが本当に上手く現状ではどうやっても勝てないと感じた。

今までは脚力だけで戦ってきたイメージだが、学連レベルの選手相手では脚力に加えて正確なテクニック、その瞬間で直感的に身体を動かすセンスが揃っていないと勝てないと痛感した。

あまりにもレベルに差がありすぎる。これは踏んだ場数の多さだったりもあるだろうが、もっと経験を詰みキレた走りのできる選手を目指したい。

 

また、シーズンを通してメカニックとしてサポートをして頂いた小西さん。遠征用具をサポートして頂いたZUNOW EAST 大山店長。遠征の度に運転して貰っている井狩のサポートなくしては今シーズンの結果は出せませんでした。

ありがとうございました。

 


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帰り道はイニシャルDを流しながら帰宅した。

ディープだぜ…ケイリンって種目はよォ…!